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事業ドメインを新しくしました。

作成者: 菅恭一|Dec 27, 2025 5:02:46 AM
年末最終営業日にブログを書こうと思いましたが、間に合いませんでしたw
BICPは昨日12月26日(金)をもって、年内の営業を納めました。2025年もたくさんのクライアントの皆さま、パートナーの皆さま、業界仲間の皆さまに支えられて、楽しく過ごすことができました。一年間のご支援、ご厚情に深く御礼申し上げます!
さて、ブログのタイトルです。年末にご報告することでもないのかもしれないのですがw 今年の10月に、僕たちは事業ドメインを新しくしました。そして3ヶ月、報告を寝かせましたw
新しい事業ドメインは、
マーケティング思考による企業の変革と主走を支援する伴走専門会社
です。長いですが、僕たちのいまの居場所を表す言葉にまとまったように感じます。

「マーケティングプロデュース業」とはなんだったのか。
2015年の創業以来、僕たちは自分たちの事業ドメインを「マーケティングプロデュース業」と定義してきました。これがなんだったのか、というおさらいをしておくと、もうだいふ当時の議論は風化してしまった感もあるのですが、2010年から2015年頃、企業のマーケティングは大きな転換期にありました(いまはAIによってさらに大きな転換期を迎えていると思います)。
従来のマスマーケティング偏重から、デジタルを含めた生活者の環境変化をどのように捉え、マーケティング戦略と顧客体験をニュートラルかつ統合的に描き、実行していくのか。そんな問いが、業界のあちこちで語られていた時代です。一方で当時は、マスに強い広告代理店も、デジタルに強い専門会社も、どうしても自分たちの得意領域に軸足が置かれマーケティング全体を横断してマネジメントする存在は、まだ多くありませんでした。現在ではこの業界の風景もずいぶん変わっています。
クライアントの目線に立つと、「戦略もマスもデジタルも全体を見てプロデュースできる人」そんなプロデューサー待望論のような空気が、確かにあったように思います。僕たちは、その業界の中にできていた空白地帯に、旗を立てました。マスか、デジタルか、戦略か、施策か、みたいな話ではなく企業の目的と生活者を中心にマーケティング活動を統合的に前に進める存在になる。その意思を込めて名付けたのが、「マーケティングプロデュース業」でした。
ただ、ここ数年、僕たちは改めて自分たちの仕事を振り返る中で、少しずつ言葉と実態のズレを感じるようになりました。確かに、プロデューサー的な支援はおこなっていたものの、どうも機能っぽい。そして、そもそも、「マーケティングプロデュース」って本来クライアントが自分でやりたいこと。では、クライアントの皆さまは何を便益にBICPを選んでいただいているのか。もっというと、「マーケティングプロデュース」って言葉自体が、ふわっとしていて業界の中のカテゴリとして認識されにくいという問題はずーっと付きまとっていました。BICPって何やってる会社かよーわからん!は本当に多くの皆さまからいただいたお声でしたw もうちょっと分かりやすく言語化したい、という思いをずと先送りにしていたのも事実です。

ドメイン再定義のためにやったこと

そこで僕たちは、改めて自分たちのドメインを見直すことにしました。やり方はシンプルです。日頃、クライアントの皆さまにご提供しているプロセスを、自社でもやってみました。

お客様の個票です。6月の神戸合宿で、BICPを採用してくださったクライアントの皆さまの個票を約30枚、みんなで作りました。ぜったい外部には出せませんが、企業名ではなく採用いただいた方の個人のお名前ベースでやっています。個票の項目はこんな具合です。

お名前
抱えていた問題
インサイト
クライアントの声
バリュープロポジション
市場の定義
30名分の個票から、顧客と市場の分類をおこない、大きく3つの市場とキープロダクトを整理しました。これらを括るものとして上位に新しいドメインを設定しています。



(みんなで個票から市場とドメインを検討したBICP神戸合宿)

ちなみに、このやり方、めちゃくちゃいいのでトライしてみたい方お声がけください。特にBtoBのスタートアップ企業にはめちゃフィットしそうな気がします。よろしければ合宿に突撃します。

ビジョン、ミッションは変わらず、新しい事業ドメインのもと、僕たちが捉えている市場も明確にしました。内部的にはベネフィット市場の議論をしていたのですが、最後はシンプルに3つのカテゴリにまとめました。
これまで軸足としてきた「事業」部門の支援に加えて、「経営」「組織・人財開発」部門への拡張。事業支援で磨いてきたインサイト、価値提案、市場の定義、ブランド定義といったノウハウが、近年は企業ブランドの領域に拡張して経営の問題に向き合う機会にも恵まれるようになりました。また、マーケティングの思考やスキルを組織に浸透させようと人財開発の領域でのお手伝いも増えてきました。この3つカテゴリを市場と捉えて、プロダクトもより明確にしていこうと考えています。それぞれのプロダクトについては、来年から、分かりやすい形で打ち出していきますので、またご案内します!
(新しくなったBICPの事業ドメインと市場・プロダクト)

耳あたりのいい伴走という言葉
ドメインを言葉にする中で、こだわったポイントがあります。

マーケティング思考による企業の変革と主走を支援する伴走専門会社
まず、「主走」という言葉を入れました。
あたりまえなのですが、「伴走」とは、「主走者」がいてはじめて成立するものです。僕たちのクライアントは、経営、事業、人財開発部門問わず、主走者です。主走者であるクライアントの変革意志を、マーケティング思考をもってプロセスや方法論をご提供しながら、共に走る存在でありたいという思いを込めて、この言葉を入れました。 なお、この主走という言葉は、元中小企業庁長官の角野然生氏による、「経営の力と伴走支援」という書籍から拝借しました。この書籍では、伴走という言葉はこのように定義されています。
主走者が、本質的な課題に気づき、意欲を高めて自己変革に取り組むことにより、組織が本来持っている潜在的な力を発揮させていく、一連の営みとプロセス。一方通行の関係ではなく主走者と支援者の対等なパートナーシップの下での、双方向のやりとり、相互作用。

①対話と傾聴による主走者の内省と課題の言語化
②主走者の気づきによる腹落ちのある課題設定
③自己変革による潜在力の発揮と自走

この定義を理解すると、軽々しく「伴走」って言葉を使えないなあと、身に染みますw
本質的な課題に気づかないといけないし、対等なパートナーシップってちょっと偉そうな感じもするけどありたい姿ではあります。対話力、傾聴力、内発的な気づきと腹落ち感ってのは、まさに現場でみんなが試行錯誤しまくっているのでw その難しさはよくよく理解できます。伴走者としてのあり方、スキル・マインドってなんだろう?を、もっともっと考えて磨いていかないと、主走者の本質的な課題や変革を支援することなんて、できないと思います。
 https://www.amazon.co.jp/dp/4334103243/

そこで、もう一つのこだわりは、「専門会社」です。
「伴走」という言葉は、すで多くの支援会社が口にするある意味大味な言葉でもあります。どこでも言ってるじゃんかー、という議論も社内ではあったのですが、いやいや、そんな軽いもんではないぞと。めちゃ難易度高いぞと。あえて「伴走専門会社」というドメインを切りました。耳あたりのよい伴走ではなく、伴走とは何か、を突き詰めること。広告代理店でもコンサルティング会社でもツールベンダーでもない、「伴走専門会社」というカテゴリをつくり、マーケティングの伴走といえばBICP、という存在になりたいと思っています。
クライアントの皆さまから、日々さまざまなお声をいただきます。こういう立ち位置の支援会社がいままでいなかったと、伴走型のPMOを高く評価いただいている方もいます。また、同じ目線に立てておらず伴走力が足りないと叱咤激励をいただくこともあります。いずれも、「伴走」というサービスに対して、価値を感じていただけているからこそのお言葉だと、ありがたく受け止めています。

BICPでは戦略も実行も扱います。でもそういう会社は他にもあると思います。一方で「伴走専門」と言い切る会社はまだいないと思います。振り切るには勇気がいりますが、このドメインを掲げて、このドメインが滑らないようにw 頑張ってまいります。
以上、年末、多くの皆さまがお休みに突入しているにもかかわらず、新しいドメインを宣言してみました。新年はこのドメインのもとで、サービスを強化して、自己研鑽して、楽しくやっていきたいと思います。
2025年、お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。2026年、新しくなったドメインでびゅんびゅん走るBICPに、ご期待ください!
それでは、皆さま、よいお年をお迎えください!

 
written by  Kyoichi Suga